盆栽と植木の村 ビケ(Vi Khe)ビケ(Vi Khe)村は、ハノイの南100キロのところにあるナムディン省にあります。盆栽と植木産業で知られていますが、魅力的な観光スポットでもあります。
古い書物によりますと、この村はおよそ700年の歴史を持っています。村の創始者を祀る集会所の世話役である
グエン・バン・トゥ(Nguyen Van Tu)さんは次のように話しました。
(テープ)
「1572年のレ・チャン・トン王朝時代に執筆されたビケ村の古い書物は、村の創始者といわれる二人の人物に触れています。一人は、917年に生まれたグエン・コン・タンです。彼は、攻め入ってきた敵を破り、現在のビケ村で人々を集め、村を作りました。もう一人はリー王朝時代の役人であるトウ・チュン・トゥ(To Trung Tu)です。1211年に、地方を視察した際、ビケ村を通って、住民に盆栽と植木の栽培を教えました。それから、この産業は今日まで発展してきました。」
毎年、旧暦の1月4日と5日には、村の祭りが開かれています。その中で、盆栽コンクールも行われています。このコンクールは、小さな鉢の中に、壮大な自然の景色を創り出す芸術作品として盆栽を紹介し、この村の伝統を若い世代に伝えることを目的としています。盆栽は、その植物によって、四季を通して、自然が織り成す美しい変化や生命の鼓動を表現することができます。
ビケ村では、昔は主に、旧正月のテト用に金柑を栽培していましたが、現在では、ホテルやビルなどに提供する盆栽を植えています。村の職人たちは、松やヤシなどを鳥などの形にし、その盆栽に魂を吹き込みます。盆栽は、伝統産業であるだけでなく、民族の文化を表すものとなっています。ビケ村の盆栽
協会のグエン・バン・チェン会長は、次のように話しました。
(テープ)
「私たちの盆栽の仕事は、人生をいろどる美しいものを作るという職業です。ですから、自分自身も正しい生活をしなければならないと思っています。村の人々は思いやりに厚く、互いに助け合います。競争力もありますが、よい意味での等しい競争力です。創意工夫し、ともに美しい作品を作っています。盆栽の栽培は、民族独自の文化を保存しつつ、伝統職業村としての意義も担っていると思います。」
ビケ村の盆栽は、ベトナム国内に提供されているだけでなく、イギリスやフランス、ドイツ、アメリカ、日本などの各国からも関心が寄せられています。この盆栽産業は、民族の文化を守るとともに、経済的にも、この地方を豊かにすることでしょう。